サウンドプラン 1
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効果音を作る前に作品全体における音のプランニングをします。私の場合、音は大きくわけて【きっかけ音】【状況音】【心象音】の3つに分類して考えていきます。【きっかけ音】はコップを置いたり、ドアを開けたりする音のこと。【状況音】は街の雑踏やシーンの背景になる音のことです。もう一つの【心象音】、俗にイメージ音のことをさしますが、これが一番『諸刃の剣』で、魅力的な存在ではありますが使い方を間違えると全てぶち壊しになってしまいます。
イメージ音とは音の断片をデフォルメ(誇張)する事で、ある種の普遍性をもたらそうという狙いがあり、ツボにはまった時の効果は劇伴と同じくらいかそれ以上の威力を発揮します。
音と言うモノは簡単明瞭で無ければなりません。一発の音で「あ、この音はあの音だな」と潜在的に認識させなければならないのです。演出上の狙いから逆の場合も勿論ありますが、それはそれとして読んでいってもらいたい。
例えば、何かよく分からないイメージライクな音がする。
「あれ、今のはなんなんだ?」
聴き手は必ずそう思う。その瞬間から話の内容に身をゆだねることが出来なくなってしまうのである。ストーリーはどんどん進行しているのに、さっきの音が気になってストーリーについていけなくなる。そうこうしているうちに内容そのものが分からなくなってしまった。お話にならないというヤツである(笑)。
そういった経験がある方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?私自身も偉そうなことを言える立場では無いのですが・・・。
音に限ったことではないですよね。映像もまた然り。若い映像作家は某かの映画やイメージビデオ等で刺激され、とかく視覚的なイメージを懲りたがるが、蓋を開けてみると何が言いたいのか皆目検討がつかない場合が多すぎ、結果的に本末転倒になっているものだ。
まず、作り手がやらなければならないのは、台本をしっかりと読む、「読み込む」ということである。当たり前のことなのだが意外と一番出来ていないのがこれだったりする。私も読めてない時が多々あります。っていうか、全然、台本に目を通さず作っちゃうという暴挙もしばしばだったりします。そういう経験も踏まえて、自戒の念を込めて書かせていただきます。
基本をきっちりやる。これが一番重要なことです。
台本の内容を把握したら次にどのような音源が必要なのかというリストをパソコンに入力していきます。別に手書きでも構わないんですが、スタッフにも配りたいので出来れば綺麗な字の方がいいじゃないですか。
リストを作り終えたら素材探しをはじめます。 |
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