T追い山Uこと櫛田神社の『清道入』の練習が各流れごと行われる。 本番のコースを走るがゴール地点(決勝点)が約1Km短い。 |
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PM0:50 各流れのT詰所Uに男達が集合する。
PM1:50 山小屋出発。各山櫛田神社の道に、一番山より順番に並ぶ。 PM3:49 一番山(千代流)出発。「ドーン!」と太鼓の合図と「ヤー!」の掛け声でスタート。 |
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![]() その『お櫛田さん』の前は、見物人で立錐の余地もない。もともと、町内の人たちが見守る中で行われていた素朴な神事が、いつの頃か桟敷席を設けなければ安全が確保できないほど見物人で膨れ上がってしまった。境内に組み立てらた桟敷席はTあいうえおUの札で区別されている。ただでさえ手に入れるのが難しい桟敷席のチケットに、山に魅せられたTのぼせもんUの見物人が群がる。
今日は“ 追い山馴らし”。本番“追い山”のリハーサルである。午後3時59分、太鼓の音が響くと一番山笠・千代流れから櫛田入り。「博多祝い唄」の大合唱が始まる。
それでもごりょんさんは男達を支え続ける。 そのごりょんさんから、T胡瓜断ちUという習慣があることを教わった。山笠期間中は「キュウリ」を食べないのである。祇園様の神紋が、輪切りのキュウリに似ており、おそれ多いらしい。周りの人から見ればほんのささいなことかも知れないが、山笠とは、それだけ神聖なものなのだ。
大博通りでは交通規制が始まっていた。赤信号で車が止まっている隙に警察官が一斉に出てくる。バリケードをはって車が進入出来ないようにして、メガホンで指示を出す。偶に、それを無視して進入して来る車がある。警察官がメガホンで怒鳴らちらしている。街中の全ての光景がのぼせもんにみえてくる。 しばらくして山がやってきた。ここは全コースの中間地点。疲労もピークをむかえる頃だ。しかし、男達が止まることはない。勢い水を体中に浴びながら、声にならない声をがなり立てながら、必死で山を舁いてゆく。
それはまるで巨大なりし龍の化身か。それとも、怒濤の波をかき分け進む巨大な白鯨なのか。体中からT勢い水Uなる聖水を放ち、小魚をしたがえながら前へ前へと押し進む。 伝説の白鯨が去った後、静けさを取り戻した道にゆっくりと数台の車が通り過ぎていった。次の山が来る前に車が通って行くのだ。また、直ぐに交通整理の怒鳴り声が響く。これも“追い山ならし”独特の光景だろう。 |